タクシードライバーは心構えも大切
その会社の良かったことは、お客様への接客、接遇の基本を徹底的に叩き込まれたことでした。
ちょっと過剰かな?と思う部分もありますが、お客様にご乗車いただいてからのスクリプトを毎日唱和させられることで、お客様への挨拶の仕方、ドアの閉め方、行き先の質問の仕方、指定の行き方があるのか?どうか、その他ドアサービスのやり方など、タクシードライバーとしての所作を教えていただけたことはとても大きかったと思っています。
その中でも最も大切だと思ったのは、タクシードライバーとしての心構えの部分です。
タクシーは、電車やバスなどと同じ公共交通機関であることをまず忘れてはいけません。
タクシーの業務は「安全」「迅速」「快適」なタクシーサービスを通して、お客様を安全に目的地に送り届け、お客様の命をお守りする仕事です。
命とは文字通り生物的な「命」と時間的な「いのち」の両方を意味しています。
物品を運ぶことも大切なお仕事ですが、タクシー運転手はもっと重要なお客様の命を輸送しているので、料金単価も物品輸送より高額なのです。
ともするとすぐ売り上げがいくら上がったか?どうやったら稼げるか?ばかりを優先してしまいがちですが、お客様を蔑ろ(ないがしろ)にして売り上げがいくら上がったところで、自分にも子供にもまた社会にも胸を張って仕事ができるとは思えません。
ただでさえ社会で下に見られるタクシードライバーです。ちゃんとした心構えを持って自分に自信を持って毎日仕事ができることがとても大切だと思います。
心構えの次は身だしなみ
会社の重役の方、仕事で地位の高い方、国際的に有名なホテルのV.I.P.客など、とても綺麗な建物から出てくるお客様をお迎えすることが多々ありました。
そんな時に、ヨレヨレの首元の破れた上着を着たタクシー運転手がお出迎えするとお客様にどんな印象を与えるでしょう?
ある時お乗せしたお客様からこんなお話を聞いたことがあります。
「あなたの車は、清潔で気持ちが良いね。この前乗ったタクシーの運転手さんはラジオもうるさいし、車内はタバコ臭いし、おまけにトランクに荷物載せようとしたらトランクの中に雑巾が干してあって、その雑巾が自分のカバンに触りそうで、気持ち悪かったよ。」
想像してみてください。自分が高級ホテルに泊まって、リラックスした雰囲気で宿泊を満喫した翌日に、ホテルから出てタクシーで空港に向かおうとしたら、ホテルとはまったく違うサービスレベルの身なりをしたタクシードライバーが玄関で待っていたとしたら。。。
私は、当時インターナショナル・ビジターズタクシーの資格を持っていましたので、車両にはいつもインタクのステッカーが貼ってありました。
そのためホテルのフロントの人から待機列とは別の列に呼ばれて、その国際的なホテルのV.I.P.客を関西空港までお送りすることも多々ありました。
なので、身なりや車両の汚れなどはとても意識していました。
いつも行くホテルのフロントの方もそのあたりはとても意識されているのがわかりました。
身だしなみの基準はホテルのフロントの方の基準を参考にすると良いかもしれません。
車内はいつも清潔に(臭いにも気を遣う)
自分の担当の車が変わる時、車内がとても汚れた車にあたることがあります。
私物がたくさんおいてあったり、シートカバーが汚れていたり、またシートカバーがずれていたり。。。
自分では当たり前のことでも、他の人から不快に思われることはたくさんあります。
最近は少なくなってきましたが、喫煙するタクシードライバーの車は本人が思っている以上に、非喫煙者のお客様は不快に感じていることを知りましょう。
お客様の中でもたまに「アイコスだから吸っていいですか?」と言われる方がいますが、アイコスだろうが、なんだろうが、非喫煙者からしたら悪臭でしかありません。
それがドライバーが喫煙者で、車内がタバコくさかったら、お客様にとっては不快で苦痛でしかありません。
それがロング(長距離)であったりした場合は、お客様はずっとその間「。。。ハズレのタクシー引いた。。。」と思われています。
もし仮に売上を月100万以上稼いでいるドライバーがいたとして、売上自体は素晴らしいですが、こんな接客レベルならその部分はお手本にはできません。
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| タバコを吸う人はより注意が必要 |
クレームを少なくする車内での接遇
私は、過去にタクシー乗務員としてスタートした半年ぐらいは、色々な失敗もして、お客様を怒らせてしまったり、自分の気づかない癖でお客様との空気が気まずくなったことがありますが、1年もするとほとんどクレームも失敗もなくなりました。
また今回タクシー乗務員として復帰してからは接客の幅が広がり、以前よりお客様との距離感のバランスが良くなり、チップをいただくことも以前より格段に上がりました。
なにより、お客様を不快にすることが少なくなったため日々の乗務が格段にやりやすくなりましたので、私の知る限りのクレームが起きにくい接客方法を以下にご紹介いたします。
クレームを少なくする車内でのトーク(基本)
実際にお客様をお乗せして、目的地に送迎し、お会計をいただいて降車いただくまでの動きにはある程度基本があります。
この間の一つ一つのトークの内容が目的を持ったものであることがクレームを少なくするためにとても大切になってきます。
トークの言い回しというより、目的と雰囲気を大切に自分の言いやすいようにアレンジしてください。
①お客様が乗られる時、ドアの接触、後方車両などに注意しながら扉を開けます。(※お客様の前に減速していく時に、アプリの停止ボタンも押しておきます。アプリが飛び込んでくるとキャンセル率が上がってしまうからです。)
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②お客様を迎え入れるあいさつをします。歓迎の雰囲気を出します。例)「ありがとうございます。」「どうぞ」「こんにちわ」など。
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③服や腕、足が挟まらないかを確認しながら扉を閉めます。(この時かならず言葉を添えます)例)「ドアをお閉めいたしますね。」「肘大丈夫ですか?」「服挟まってないですか?」「袖挟まらないですかね?」など。
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④行き先を訪ねます。例)「ご乗車ありがとうございます。どちらまでお送りいたしましょうか?」
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⑤具体的な行き方を訪ねます。この時に地理に自信があってもなくてもアプリに行き先を入れましょう。(理由は2つあります。①自分が考えているよりも早くて、近い行き方があるかもう知れません。②アプリが距離と時間を提案してくれるのでお客様とのトークの引き出しになります。)例)「ご指定の行き方はございますか?」「御堂筋線を下って中央大通りを右に行くルートでよろしいですか?」など具体的に復唱します。
自分の行き方ではなくあくまでお客様の普段の行き方を引き出します。この時に使えるトークが「また近くまで来たら行き方を教えてください。」「他に普段使われてる道などございましたら教えてください。」などです。
⑥行き先がきまれば出発です。この時に必ず「では出発いたします。」と言って出発するようにしましょう。この時に実車のボタンも押します。(※先に実車のボタンをおしてしまうと後で問題になるケースがあるので、実車はあくまで出発の時に押します。)
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⑦シートベルトは今は機械の音声が言うのが主流だと思いますが、高速道路を使う場合などは「高速道路に入りますので、安全のためにもシートベルトの着用にご協力をお願いいたします。」と一言言っておけば大丈夫です。(※この一言があるかないかで万一事故を起こした際、お客様がシートベルトをしていなかった場合のドライバーへの責任が変わります。とても重要です。)あと高速で、自分の後ろの席にお客様が座られる場合は、必ずシートベルトをしてもらってください。無いと事故った時に自分が死んでしまいます。見ず知らずのお客様の怠惰のせいでじぶんの命をなくすほど愚かなことはありません。)
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⑧到着場所を確認して車を停車。支払い。
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⑨後方を確認してドアを開ける。
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⑩「お忘れ物ございませんように。」など忘れ物喚起
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「ありがとうございました。お気をつけて。」などのことばを掛けて笑顔で頭を下げれば気分良く降車いただけます。
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後方の忘れ物を目視。足元のマットなどを直して、現金の回収。レシート類処理。
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空車にして次の営業再開。
この他にも車内でのお客様との距離を図るトークはまた別のページで詳しくお話しします。





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